なんでもまとめ

思い出話に付き合ってくれないか?

1 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 13:55:21.59 ID:mR9MWEUH0.net
俺、今プロのデザイナーとして絵を描く仕事をしてるんだ。特に絵を描くことが好きだった訳でもない俺が、絵で食っていく事を決めた高校時代の思い出話を思い出したから良ければ聞いて欲しい。10年近く昔の話だから、想像も混ぜて思い出しながら書くよ。

25 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:11:27.65 ID:mR9MWEUH0.net

俺と樋口、焦りながら綺麗な景色を探す。

俺「どうせなら夕日の絵とかにするか!?」

樋口「承った。」

俺「あそこでいいだろ!あの公園の東屋!他にも絵描いてる人いるぞ?」

樋口「OK、マスター」

相変わらずこいつキャラ安定しないなぁと
思いつつ、途中にあった結構大きめな公園にある東屋から見える景色を絵に描くことに。

187 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:44:08.28 ID:MzdjVTRc0.net

俺「俺、地元に帰るまであと数日しかないよな。でもそれだけの時間じゃ、美凪に勝てないと思う。」

美凪「やだよ、勝ってから帰ってもらわなきゃ。」

俺「無理だね、たった数日で絵を好きになった俺が美凪に勝てるわけないだろwww」

美凪「私だって、絵を好きになったのはたった数日前。それまではずっと、お母さんのためだけに描いてたから。」

262 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:42:33.89 ID:MzdjVTRc0.net

休憩しすぎました、戻りました。

53 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:31:09.91 ID:mR9MWEUH0.net

この2人もなかなか癖が強い。

吉田は美術部のくせに合宿にギター持ってきて、バスで弾いてるようなやつ。ギターは上手いのに髪型は坊主。まるで修行僧みたいだ。

佐野はバスの窓に持参の風鈴を付け、バケツに氷水張って部屋でキュウリ冷やしてるようなやつ。憎めないバカって感じか。勉強は出来るインテリメガネだけど。

237 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:08:30.87 ID:MzdjVTRc0.net

川から公園に降りるのはかなりの大回りをしなければならなかったが、そんなこと気にならなかった。川の水よりも速いんじゃないかというくらいみんな全力疾走。

岩を何個も乗り越えた。靴が水に濡れても関係なし。吉田が肩からかけているギターケースを岩にぶつけて叫んでいたが、止まらずに走り続けた。

75 :豆腐 :2021/08/14(土) 18:22:44.55 ID:pVADGMyvd.net

こちらで雑談しませんか?

【カレーは飲み物】トウフードファイター【目方はkg単位】
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1625908441/

337 :名も無き被検体774号+:2021/08/16(月) 14:21:32.51 ID:KyQ/J34w0.net

俺の昔の思い出話で、また夢に挑戦しようと思ってくれたなら本当に嬉しいです。

美凪と再開したら、ですね……。
また俺がこうしてこのスレに現れるかは分かりません。ですが、もしいつか俺が現れたら、また話を聞いてくれると嬉しいです(笑)

ただの思い出話に付き合ってくれてありがとうございました。

146 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:02:58.16 ID:mR9MWEUH0.net

この日は美術部全員でキャンプファイヤーをした。確か7日目の夜だったかな。
早めに夕食を済ませ、民宿の中庭に出ると
数人が軽く木を組んで着火準備をしていた。
キャンプファイヤーをするのは、人生初だった。

232 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:02:54.56 ID:MzdjVTRc0.net

俺「ミーティング開始数分前は先生も女子たちもいつも忙しそうにしてただろ?そこを狙うんだよwww」

吉田「お、それは名案www」

佐野「イッチ天才か!?」

樋口「懐中電灯用意しとけ、だいぶ暗いからなwww」

俺「やっぱり分かってんじゃねえかよwwwwww」

67 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:43:14.93 ID:mR9MWEUH0.net

民家の縁側の方からは、まだ風鈴がチリンチリンと鳴っていた。

いつもあの場所で絵を描いているとは言っていたが、この時間帯に美凪が公園に居るとは限らない。だが、また美凪と勝負をしたい一心で峠道を歩いた。

351 :名も無き被検体774号+:2021/08/25(水) 23:07:48.47 ID:G6sKlZTl0.net

360 :名も無き被検体774号+:2021/09/11(土) 12:50:27.20 ID:icNCfsQg0.net

イッチ酉付けてないけど
話し方でわかる気がするし、また来てくれるかは分からないけどゆっくり待っとこうかな。

96 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 19:50:47.36 ID:AKdGRNNO0.net

真剣に物事に打ち込んでいる人は美しいって教授が言ってたな

194 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:52:03.42 ID:MzdjVTRc0.net

女の子と2人で話すとこと、

本気で絵を描くこと、

集中して服の袖を汚すこと、

逃げずに何かに取り組むこと、

昔の文豪の名作のこと、

好きな音楽のこと、

たまにはサボって川で遊んだりすること、

タバコを吸うこと、

大切な人と離れることは寂しいということ、

絵を描くことは楽しいということ、

159 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:05:37.37 ID:MzdjVTRc0.net

おはようございます。
今日も書かせていただきます。

153 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 22:09:23.76 ID:mR9MWEUH0.net

公園まで坂を降りていく。
木々が風で揺れ山の方は真っ暗で不気味だった。
公園まではそこまで距離がないんだが、今は体感でかなり遠く感じる。ヒグラシの声が大きく聴こえ始めて来た頃に、公園に到着した。

212 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:20:13.14 ID:YfzQ5J4V0.net

追いついた
続き待ってるぞ

50 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:27:42.73 ID:mR9MWEUH0.net

まあよし、夜になったら続けます…()

70 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:47:25.79 ID:mR9MWEUH0.net

もし怪我がなければ高校でも走ってたのかなぁと考えてるうちに、東屋に座る美凪が見えてきた。
日差しから逃げるように東屋に逃げ込む。

美凪「イッチ、今日は早いね〜」

俺「昨日は時間足りたかったしね」

美凪が俺を待っててくれたような感じがして
少し嬉しかった。やっぱり早めに来て良かったな。

240 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:10:33.71 ID:MzdjVTRc0.net

そうして、いつもスイカをくれた農家のおじさんの家辺りまで川を降りてきた。この頃には辺りも真っ暗になっていて余計不気味だった。

ここまで来ればあとはいつも通り公園までの峠道を登るだけだ。みんなコケたり何か落としたりしながらも走っていた。

215 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 14:48:01.89 ID:UdgrYn2pd.net

続き気になる!

205 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 12:00:23.17 ID:MzdjVTRc0.net

美凪は泣いていた。辛くて泣いているのでは無いと分かったから、美凪を助けてあげられたんだと思って俺も泣きそうになった。

そして、美凪に勝つということだけでなく、デザイナーになることは俺のハッキリとした目標、立派な夢になっていた。

174 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:34:06.68 ID:MzdjVTRc0.net

そんな俺に、どうせすることがないから、と美術部にまでついてきてくれた樋口。
陸上を辞めた日から今日まで樋口に支えられることは何度もあった。そんな樋口がプレッシャーと不安に押しつぶされそうな俺を助けてくれたんだから、 目の前の美凪のことも助けてあげたくなった。
助けられていた存在が誰かを助ける存在になるということが、樋口のおかげで俺のあごがれになってもいたから。

243 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:11:47.31 ID:MzdjVTRc0.net

初日から知ってたってことは言わないでおこう。
自分だけが名前を知っている優越感は十分味わった。今は、より多くの友達が美凪の名前を呼んであげることが俺らにとっても美凪にとってもベストなのだろう。

243 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:11:47.31 ID:MzdjVTRc0.net

初日から知ってたってことは言わないでおこう。
自分だけが名前を知っている優越感は十分味わった。今は、より多くの友達が美凪の名前を呼んであげることが俺らにとっても美凪にとってもベストなのだろう。

109 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:15:12.91 ID:mR9MWEUH0.net

部屋から出て渡り廊下を歩き、民宿のおばさんがいる食堂へ再び訪れた。渡り廊下の夜風が涼しくて気持ちが良い。

食堂で机を拭いていたおばさんを見つけた。

251 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:16:25.92 ID:MzdjVTRc0.net

樋口「どうしたイッチ、泣くなwwwwww」

吉田「寂しくなったか?」

俺「寂しくはないよ、美凪もそうだよな?」

美凪「うん、イッチはデザイナーになるからね!またいつか会えるからね〜」

俺「ちょ!まだ皆に言うなよやめろwww」

佐野「イッチ、まじかよすげえwwwwww」

樋口「イッチに将来の夢www 応援不可避www」

吉田「デザイナーになったら美凪ちゃんにも勝てるかもよwww 頑張れイッチwww」

334 :名も無き被検体774号+:2021/08/16(月) 13:32:43.08 ID:G6ER9S5r0.net

風が止むで凪
どんな女性なんだろな

204 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:58:37.75 ID:MzdjVTRc0.net

美凪「東藝大……デザイナー……」

俺「よく知らないけど、難しいんでしょ?何浪してでも卒業してデザイナーにでも何でもなるから。またいつか勝負して欲しい。」

俺「それに、俺は美凪に美術の先生になって欲しい。出来れば美術部の顧問かな!」
俺に絵の楽しさを教えてくれた美凪が、もっとたくさんの人に絵を教えているところを想像した。自然と、中嶋先生と美凪を重ねていた。

282 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 23:03:27.02 ID:MzdjVTRc0.net

やり残したこと、何一つないつもりだった。
別れの挨拶も、お礼も、夢を叶える約束も、最後の勝負も全てした。だけど、もう一つだけどうしてもしたいことがあった。中嶋先生もその事に気付いていたのかもしれないな。

そう思うと皆から少し遅れ、画材だけ持ってバスを降りた。皆は既に東屋に入っていた。

250 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:15:42.30 ID:MzdjVTRc0.net

樋口「線香花火やるかwww」

佐野「最後で残るのは俺の花火だからなwww」

みんなに線香花火を配り、美凪が
黄金に輝くライターで皆の花火に火をつけていく。

俺、ここでもう耐えられなかった。
この前までは寂しさや不安を紛らわせるために
タバコに火をつけていたのに、今では友達の線香花火に同じライターを使って火をつけている。

22 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:06:18.58 ID:mR9MWEUH0.net

いくらサボれると言っても、民宿に帰った時のミーティングでは最低でも1人1枚は絵を提出しなければならないって決まりがあった。俺たち大焦り。

318 :名も無き被検体774号+:2021/08/16(月) 07:44:47.66 ID:KyQ/J34w0.net

そして、絵を描くことは楽しいということ。
これは俺が美凪に教えた一番大切なことでもあるし、俺が美凪に教わった一番大切なことでもある。受験の時、嫌いだった勉強をすることは辛いとよく思ったけど、絵を描くことだけは何万枚と描いても辛いとは思わなかった。絵の実力が付けば、美凪と勝負する時のアドバンテージになるぞ、と思って自信がついたり、上手く描けなかった日は、美凪だったらどう描くかを想像した。

265 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:45:09.04 ID:MzdjVTRc0.net

吉田は、まだ昨日の興奮が覚めていないのか、
朝からろくに帰る準備もせずにギターを弾いていた。佐野と樋口も昨日の思い出をうるさいくらいの声量で語り合っている。俺も、ここで夜を迎えることはもうないんだなと実感するには時間がかかった。

361 :名も無き被検体774号+:2021/09/12(日) 02:03:34.68 ID:ZsOlja7Wa.net

続きというかその後がちょっと気になるから
後日談聞きたいな。

315 :名も無き被検体774号+:2021/08/16(月) 07:38:53.79 ID:KyQ/J34w0.net

たまには川で遊んだりもした。
俺と美凪、樋口、吉田、佐野の5人で
川でスイカ割りをした事を思い出し、仕事の少ない休みの日は、綺麗な川までドライブしたりもした。初心者だけど、釣りも始めたよ。

71 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:48:23.91 ID:mR9MWEUH0.net

俺「今日こそ勝負勝つからな!」

美凪「昨日悔しそうだったもんね〜www」

俺「そりゃ悔しいしさ、年下に負けたら」

早速美凪と俺が準備を始め昨日と同じ景色を
描き始める。昨日の夕日とは違って、大きな入道雲が空を覆っていた。

20 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:04:38.83 ID:mR9MWEUH0.net

2人が買い物で抜けたから、俺と樋口で民宿まで帰ってた。樋口はどこで買ったかも分からない花火セットを抱えていた。

樋口「イッチ、今度みんなで花火やろうぞwww」

俺「お前それどこで買ったんだよwww デカすぎだろwww」

とか笑い合いながら。
花火が楽しみになってきた、樋口ナイス。

41 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 15:41:57.13 ID:mR9MWEUH0.net

女の子「これは私の勝ちかな〜!」

俺「認めたくないけど俺の負けだな。もう1回やらないか?」と俺がムキになったところで、

女の子「時間見てみなよ〜!そろそろ戻らないと叱られるよ〜?」

俺顔面真っ青。冷や汗ダラダラ。
民宿への集合時間30分以上過ぎてたwww。

161 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:20:43.21 ID:MzdjVTRc0.net

東屋が見えてきた頃は、夜の9時を回っていた。
街灯に照らされ、離れていても東屋の中の様子はぼんやりと照らされていた。

116 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:22:25.12 ID:mR9MWEUH0.net

おばさん「美凪ちゃんに、またいつでもおいでって伝えてくれる?」

俺「もちろんですよー」

と最後に言葉を交わし、食堂を後にした。

114 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 21:21:16.26 ID:mR9MWEUH0.net

おばさん「私たちの息子はもう上京したから、美凪ちゃんは本当に娘みたいなものなのよ。たまにおばさんの似顔絵も描いてくれるの。」

と、水彩で描かれたおばさんの絵を見せながら笑っていた。見てわかったが、やっぱり美凪の絵だった。たった2日間で、やっぱり美凪の絵の魅力に惹き込まれている。その絵を見て確信した。

277 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 22:56:29.88 ID:MzdjVTRc0.net

大声で叫ぶもんだから
音割れしてハウリングして、もうめちゃくちゃだった。一気に急ブレーキがかかった。
俺たちが何事だ、と思っていると、中嶋先生が口を開いた。

340 :名も無き被検体774号+:2021/08/17(火) 00:45:19.82 ID:vrdO8vJ/0.net

人はここまでストイックになれるのかと驚いた。
彼女との再会談も楽しみにしてる!

347 :名も無き被検体774号+:2021/08/25(水) 23:02:36.51 ID:G6sKlZTl0.net

222 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 21:55:01.24 ID:MzdjVTRc0.net

もうすぐ地元に帰ることは避けられない。
将来デザイナーになれて、美凪とも再会出来るとしても、何年後になるかも分からない。当たり前だが、2人とも大人になった後だろう。

再開までの長い間も、美凪に勝つための修行期間と思って絵を描き続けたい。美凪も夢を見つけたし、絵を描く理由をたくさん見つけた。美凪も俺と再開するまで絵を描き続けるだろうな。

再会が出来ない可能性もある。もしかしたらその可能性の方が大きいかもしれない。そんなことは分かっていた。だが、陸上と美術と、そして美凪に鍛えられたこの負けず嫌いな性格があれば、そんなことだってどうとでもなるような気がした。

293 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 23:14:32.03 ID:MzdjVTRc0.net

やり残したことを全て終えた。
あとは俺がデザイナーになるまで美凪に待っていてもらい、美凪が美術の先生になるまで待つだけ。バスに乗り込み、皆に 遅すぎるよー!と言われたが、中嶋先生、樋口、吉田、佐野は笑っていてくれた。

217 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 16:54:38.33 ID:p1iuBe/za.net

楽しい

60 :名も無き被検体774号+:2021/08/14(土) 16:37:05.32 ID:mR9MWEUH0.net

避暑地と言えど真夏の正午にもなるとさすがに暑かった。午後には繁華街から離れ、峠道の下の方にある田園風景を樋口と眺めていた。
近くの民家の縁側の方からチリンチリンと風鈴の音が聞こえたり、少し遠くの大きい家で
ビニールプールに水を張って遊ぶ子供たちも見えた。子供と一緒にはしゃぐ大人もいて、やっぱりみんな夏が好きなんだなぁと思った。

163 :名も無き被検体774号+:2021/08/15(日) 11:21:40.00 ID:MzdjVTRc0.net

美凪が握っているそのライターも、直感で美凪よお母さんのものだと感じた。美凪の年季の入ったヘッドホンですら、お母さんの物なのかはまだはっきりとしていない。だが、ライターもヘッドホンも、美凪のやけに渋い趣味も、全てお母さんからの贈り物だとその瞬間に確信した。